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お知らせ

2019/12/02学会からのお知らせ

【重要】サブスペシャルティ領域の在り方に関する議論に対する日本肝臓学会の立場

一般社団法人 日本肝臓学会

理事長 竹原徹郎

 

 現在、厚生労働省の医道審議会医師分科会医師専門研修部会においてサブスペシャルティ領域の在り方について議論が行われています。11月8日の第3回分科会において、「消化器系の3つの専門医(消化器病、肝臓、消化器内視鏡)は1つに統合するべきだ」などの発言がされています。
(厚生労働省HPから:議事録P19 17行目~: https://www.mhlw.go.jp/content/000576431.pdf)。

これらの議論に対して、日本肝臓学会として、国民、地域医療にとっての肝臓専門医の必要性を以下のように考えます。

国民病とも言われる肝炎対策は本邦の公衆衛生対策上の大きな課題である。平成21年に制定された肝炎対策基本法に基づき、厚生労働省、都道府県自治体、医師会、日本肝臓学会が連携して潜在肝炎患者の発見、肝炎ウイルス検査の勧奨、治療の実際、医療費助成、さらには国民への啓発活動等を精力的に施行している。そのような国の施策を中心的に遂行しているのは、肝臓専門医である。
厚生労働省の認定する各都道府県の肝疾患診療連携拠点病院とそれに連携するネットワークは、肝炎のみならず肝硬変、肝がんを包括的に診断・治療しており、肝臓専門医の存在なくして専門性の高い包括的な肝疾患診療は行えない。
肝臓専門医は全国で未だ数千名であり、治療が必要な患者数が全国で100万人以上存在する状況で、肝臓専門医の育成と各地域医療圏における適切な配置は、わが国の最大の感染症であるB型・C型ウイルス性肝疾患をはじめとした肝疾患全体の制圧に不可欠である。
肝臓専門医そのものをなくすことで、100万人もの肝疾患患者さんが適切な医療を受けられなくなるという不利益を被り、その結果、国の医療政策に大きな障害が生じることになる。

 

 消化器領域は対象臓器が多岐にわたるため、1つの専門医ですべてをカバーすることは困難であり、肝臓専門医が継続的に育成されることが、各地域において肝疾患全般の診療レベルの向上と均てん化につながり、地域医療を通じて国民の健康と福祉に貢献するものと考えます。